1月21日「主力電源としてのバイオマス発電への期待―バイオマス発電に関する今後の政策」講演会を開催しました。

2019/01/24

 一般社団法人バイオマス発電事業者協会は、1月21日(月)、定期講演会「主力電源としてのバイオマス発電への期待 -バイオマス発電に関する今後の政策–」と賀詞交歓会を開催しました。
 会場の東京都港区の機械振興会館B2Fホールに、会員企業をはじめ発電事業者、燃料メーカー、商社など約140名の参加者が集まりました。


1月21日講演会


 開会にあたって、当協会の山本毅嗣代表理事がご挨拶しました。
 続いて、外務副大臣の佐藤正久参議院議員、自由民主党再生可能エネルギー及拡大議員連盟事務局長の秋本真利衆議院議員、農林水産省 林野庁 木材利用課の長野麻子課長、東京大学国際高等研究所 サステナビリティ学連携研究機構の高村ゆかり教授の四氏より、「バイオマス発電に関する今後の政策」をテーマに講演が行われました。


1.参議院議員 外務副大臣  佐藤 正久 様
 「パリ協定 目標達成と再生可能エネルギー」
佐藤正久様
・バイオマス発電は安定電源として政治的に重視されており、パリ協定を日本がリードして行くうえでも温暖化対策の政策として後押しして行く。日本でアフリカ開発会議(TICAD)やG20が開催される今年は、温暖化対策を行動で示すため日本のバイオマス発電を世界にアピールする予定である。
 技術的な面でも支援を続ける予定であるので、経済面、環境面だけでなく、山を守り、人の命を守る電源として応援をして行きたいと考えている。


2.衆議院議員 自由民主党再生可能エネルギー及拡大議員連盟 事務局長  秋本 真利 様
 「自民党再エネ議連事務局長からみたバイオマス発電」
秋本真利様
・先日のバイオマス比率に関する制度変更の際に感じたことだが、政治家への働きかけと言う面でバイオマス発電業界は出足が遅かった。おそらくいくつかの業界団体に分かれているからであろう。
 認定量が目標を大きく超えている状況のバイオマス発電については、今後も制度変更で狙われる可能性が高いと思われるので、業界として意思統一を図り、効果的なロビイングをした方がよいと思う。
 個人的にバイオマス発電はよい電源だと考えているので、国交省の政務官の際に廃棄されていた河川の樹木を一般木質としてバイオマス発電に使用できるような制度も作成した。今後もがんばって欲しいと思っているので、ぜひバイオマス発電業界全体で力を合わせていただきたい。


3.農林水産省 林野庁 木材利用課 課長  長野 麻子 様
 「木質バイオマスのエネルギー利用の現状と今後の展開について」
長野麻子様
・自身が20年ほど前に「バイオマス日本総合戦略」に関わっていた頃に比べ、現在はバイオマス発電の認知が格段に高まって来ていることをうれしく思う。現在の森の状況は先輩方が植林した杉や檜が約50年となり、植え替えの時期を迎えているところであるが、なかなかそれが進んでいないところである。それに対し、2019年4月から森林経営管理制度や森林環境税を導入することにより、伐採量の増加、林業の生産性向上、木材の需要拡大を図っているところである。
 バイオマス発電も木材の大きな供給先であるので、低コストで燃料を供給できるようにし、それによる地域活性化にも期待している。地域内エコシステムの全国展開のため予算をつけていうるので、そこから生まれる木材を残すところ無く、使用できるようみなさんにもご協力いただきたい。


4.東京大学国際高等研究所 サステナビリティ学連携研究機構 教授  高村 ゆかり 様
 「再生可能エネルギーの『主力電源化』にむけた課題とバイオマス発電」
高村ゆかり様
・かつては「あてにならない電源」と言われていた再生可能エネルギーに対する見方に、昨今変化が見られる。世界的な潮流、Mobilityのゼロ・エミッション化、パリ協定の影響によって、再生可能エネルギーと地球温暖化対策の関係がより強くなって来ているため、電源は非化石化へのシフトが加速しており、世界的に投資も再生可能エネルギーに流れるようになってきている。同時に需要家が電源を選ぶという時代になって来ており、SBTsやRE100の取り組みがそのよい例である。
 日本における再生可能エネルギー拡大のためには2030年以降にどのような系統が必要かを考えた系統対策が必要となり、同時に再生可能エネルギーがコスト競争力を持つためにFIT制度の見直しや、FIT以外の制度が必要である。
 バイオマス発電に関しては新規燃料の導入について調達価格等算定委員会で話し合われたが、上記のような社会の変化の中で需要家が懸念を持たないような、第三者による持続性の認証が必要であると考えているので、新たに組織されるWGで丁寧に検討されるべきであると考えている。
 今や京セラのデータセンターの例があるように、再生可能エネルギーを得られる場所かどうかが産業立地の重要な要件ともなって来ており、経済活動の基礎としてもバイオマス発電が果たす役割が大きくなってきていると言える。


 以上4名の方々のご講演の後、会場を移して賀詞交歓会が行われ、講演会、賀詞交歓会とも盛況裡に終了いたしました。

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